在宅医療だからできること

患者さん一人ひとりの気持ち、生き方、生活環境を考えて
患者さんとご家族にとってベストな「在宅医療」の形をご提案し、一緒に考えます。

「“病院”ではなく、ご家族と一緒に“我が家”で療養したい」

「病院ではなく、住み慣れた我が家で療養したい」「家に連れて帰りたい」と思っても、退院して自宅で生活できるのか、患者さんとご家族にとってはとても不安なことです。

患者さんとご家族が安心して暮らせる環境を作り、無理のない生活が送れるように支援するのが「在宅医療」です。
患者さんが自分らしい生活を送りながら、やりたいことができるようにサポートいたします。

在宅医療は、病気を治すための治療よりも、患者さんの気持ちに寄り添い、支えるケアが大切です。医療(診療・看護・リハビリ・薬剤)と介護が一体となって患者さんとご家族を支えます。

「最後まで住みなれた家で過ごしたい」

「自宅で最後を迎えたい」と希望される方の思いをお手伝いができるのが「在宅医療」です。
入院して苦しい治療を受けながら最後を迎えるのではなく、痛みをコントロールしながら、身体を楽にすることで、自分らしい生き方をしていただき、最後までご本人とご家族が豊かな時間を過ごしてもらえるようにサポートいたします。
ご家族の一番の心配事である急変時には「いつでもすぐにかけつける」ように24時間365日の体制で患者さんとご家族を見守ります。
ご家族が「家に連れて帰って良かった」と思えるようなサポートを目指しています。

在宅医療を選択した患者さんのお話

気管切開を施した患者さんのお話

肺に空気を送ったり痰を吸引したりするための穴を開ける気管切開を施し、呼吸管理を行っていた患者さんのご家族から、住みなれたご自宅に連れて帰って療養させたいとの相談を受けました。

しかし、気管に管を通したままでは痰や分泌物を取り除くために、常にご家族が付き添っていなければなりません。ご家族の負担やリスクも大きく、家に連れて帰るのは難しい状況でした。
そこで、管を抜いて在宅医療を受ける方法を主治医と模索し、無事、管を外すことに成功し、ご自宅での療養が可能になりました。

患者さんやご家族には、どのような方法や選択肢があるのかはわかりません。
患者さんやご家族の立場で、家に戻るための方法やご家族の看護しやすい環境作りを提案し、選択できるようにするのが、私たち医師の役目です。
※気管切開の管を外せるかどうかは、患者さんの病状等により異なります。

あるがん患者さんのお話

ある癌患者は、ご自宅で家族と一緒に生活しながら、療養を続けていらっしゃいました。
痛みをコントロールしながら自宅で療養を続ける生活の中にも、人生の楽しみをみつけてほしいと思い、少し外に出てみることをおすすめしました。
彼は、絵を描くようになり、私にりんごの絵を描いてくれました。
そして、小旅行をしたり、陶芸を体験したり、病と闘いながらも人生を楽しんでいるようでした。
在宅医療の患者にとっては、治療よりも心のケアが大切です。
ご家族と豊かな時間を過ごしながら、人生を楽しんでほしいと思います。
彼が亡くなった後も、彼の焼いた陶器は、ご家族の大切な思い出となっていることでしょう。